
毎度のことだが、酔っ払い共の運転手をすることに。
ただ、いつもと違うのは車である。
いつもなら俺の狭くてどうしようもないクソ車か、ゴリ君のルシーダだが、この日は絶対自分の車を出さない酔いどれ隊長、D君が愛車オデッセイを出した。
運転どころかこの車に乗ったのは初めてであった。
相変わらずヒットしているオデッセイ。
走りの良さを売りにした元祖ミニバンはいかなるものか?
10分未満の短い時間と距離ではあったが、早速走らせてみた。
まず、運転席に腰を降ろすと目の前に浮かぶのはブルーを基調としたインパネである。
近年のホンダが主流としているデザインだが、ちょっと頑張りすぎな気もする。
もう少し大人味を加えてもよかったのではないか?
が、明るく見やすい点は好感が持てる。
シートは極端に細身な俺には大きすぎるか。
サイドサポートは拳一つ程の余裕があり、ホールドは全く期待出来ない。
硬さはまずまずといったところか。
国産の純正シートには大抵不満があって当たり前なので大目に見る。
と言っても、一昔前の国産車に比べれば進歩を感じる。
この点、友人・熊すけのプジョー306の純正シートはさすがである。
体を支えるサイドサポートは硬め、背中を受け止めるセンターは適度にクッション性があり背中を押されるというか、誰かに背中を支えてもらっている様な安心感があり、背骨にフィットする。
シート以外でもほんとあらゆる面で車としての基本が高い水準にあり、国産じゃそうは真似出来ない。
オデッセイに話を戻して。
ミニバンながら1550mmという低い車高の通りに視点も高くない。
セダンより若干高さを感じる程度で、近年のアイポイントの高いコンパクトカーとほとんど同じ様な感覚だ。
長さは多少感じても、横幅も大して大きくは感じず、これなら運転に自信の無い奥様方でも問題ないだろう。
感覚としてはステーションワゴンの延長線上にある様に感じられた。
走りだせば、160ps/22.2kg-mという数字以上に、非常にストレス無く速度を上げていく。
2.4リッターとゆとりある排気量もあるが、やはりここにホンダエンジンの良さがある。
気付けば「あれ?もうこんなスピード?」といった感じで、スピードメーターを見ればあっと言う間に70~80km/h出ている。
そんなスピードになっても体感的にはそう感じさせない剛性はお見事。
三列目でくつろぐ、オーナーのD君は「初めて三列目に乗ったけど、オデッセイって足硬いな」と言う。
そりゃ普段運転席に乗ってる感覚からすれば当然。
そして、国産ミニバンにはまだまだ「使える三列目」が少ない。
これも国産ミニバンの大きな課題である。
等と言っても運転している俺は硬いとは感じなかった。
確かにトヨタの様に気持ち悪い軟さではないのは明確だが。
硬いというよりも「しっかりしている」という印象。
路面の段差などをしっかり乗り手に伝えるが、不快な突き上げとまではいかず、きちんとサスは動いている。
曲がりでも1620kgという重さと、小さくはない車体をロールさせずに上手く曲げている。
なかなか良く出来た足回り。
ハンドリングはホンダ車らしくキレがあり、曲がる。
普段、偏平&インチアップしたタイヤ&32Φの小径ステアを操る俺には、ステアを回した感覚が重みが少なく手応えが足りない様にも思えたが、普通はこれで丁度良いだろう。
軽過ぎ!と感じる事も無く、快適に扱える。
この辺りも腕力の無い女性でも運転しやすいところだろう。
D君を脅かすあの嫁さんの腕力ならもっと重くても問題なさそうだが・・・
走る・曲がる、この点は良しとして、問題だと思ったのは「止まる」である。
効きが少し甘い様に感じた。
あの重い車体で7人も乗せて止まる、ということを考えるとこれは大きな課題である。
ブレンボが欲しいとまでは言わないが、快適に乗る事が必須条件であるミニバンだからこそ、もっと懐の深いブレーキが必要だ。
それと、Aピラーが太くて視界の妨げになる。
車高を低くするためにAピラーを寝せなければならない、そうなると強度を持たせなければならない、というのは当然の流れで、太くなるのもわかるが、右折する際なんかははっきり言って邪魔。
まぁどの車でも邪魔と言えば邪魔だけど、もう少し細く視界の妨げを少なくする様に改善してもらいたい。
短い時間と距離を運転しただけなので、この程度しかわからんが、売れる理由も頷けるのは確か。
それなりにお父さんは運転を楽しめて、奥さんや子供も広くて快適な室内と乗り心地に満足出来る。
ファミリーユースのミニバンとして選ばれる要素を十分に満たしているだろう。
こんな車の後に俺のウンコみたいな車に乗ったら、そりゃ死にたくもなりますよ。
というかどっちみち死ぬしか無いんだけど。
まぁ死んでもミニバンだとかオートマなんて乗らないね。
もしも、誰かの為に生きるというのであれば、ミニバンという選択肢もないでもない・・・?
と思わせる程、オデッセイはよく出来た車でした。
その後、ジェンガで大盛り上がり。
オデッセイは良い車なんてことよりも、金が懸かったらゴリの嫁には敵わない・・・というのが一番強烈に感じたことだったりもする・・・
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